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2006年度
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special

伊藤拓interview 
Re:ビョーキを終えて

【ジョイント公演を熱望】

【音楽からのビョーキ】

【異化効果の笑い】

【表層的な情報の塊】

【最後に残るもの】


【最後に残るもの】

--僕はラストを見たとき、新聞が最後に降ってきた、で、また朝から一日が始まって、「誰かが誰かが殺して」っていう冒頭のセリフに戻っていくのを思ったんです。その毎日毎日繰り返してっていうのが悲しかった。だから、あのサラリーマンが「ようやく動物園の檻に入って気持ちいい」って、彼が本当に生きているっていう実感が嬉しかったですね。それぞれのキャラも、マグロ女もだし、フリーターの男も殺人をしてからですが、ようやく生の実感を獲得する。たぶん、フリーターがファーストフード店の店長を殺したニュースは新聞に次の日載って、まぁ、それは単なる片隅にしかならないんだろうっていうのがまた悲しいんですけどね。そして「(冒頭のセリフの)AM6時」で始まるっていう。

伊藤 冒頭の「今日もまた誰かが誰かを殺している」っていうセリフは、そういうことかもしれませんね。

--これまでの伊藤さんの作品では、悲しいけど、最後はある程度希望を見出していたと思うんです。最後には「あっ、優しいんだな」って。

伊藤 それはありますね(笑)。

--なのに、今回は「最後悲しいな~」って印象がありました。

伊藤 それは狙ってました。

--そろそろ時間が迫ってきましたので、最後に、France_panとしての今後の予定を。とりあえず今年度4回も公演をしますね?

伊藤 あと三回…。

--8月と11月と3月と。今回のKAVCチャレンジシアターへの参加はは8月に向けての試金石の意味もあり、今年度一発目ってことで、手応え的にはどうだったんでしょう?

伊藤 サイドセッションだと、頻繁に(芸術全般を)見ている人が比較的好意をもってくれるんです。僕もサイドセッションは非常に好きなんですけど、役者が苦言を呈しますね。台本が判らないって(笑)。

--それはなんとなくわかります。そういった場合、平田オリザさんの言う、コンテクストの刷り合わせは効果的な方法なのでは?

伊藤 うまい具合に、役者さんともいい具合に付き合って、それがお客さんにもフィードバックっていう形が望ましいですね。うちの団体は三つの公演形態をとっていますが、それがいいことか悪いことかはまだちょっとわからないです。僕は良いことだと思ってやってますが、結果としてそれがなかなか集客まで繋がってこない。そんな感覚があります。でもやっぱりサイドセッションを見たいっていうお客さんは絶対出てくると信じてやってます。もちろん哀しき現状を考えると、サイドなんかは見たくないっていう方が、相対的には多いと思いますが、だからこそもっとみんながテレビだけ見るのをやめるべきなんです。そういう流れが産まれてこないと、やっぱり舞台表現全般が活性化されていかないんじゃないでしょうか。偉そうな事言ってますが、大阪にいて、特にそれは感じます。役者の方向性とか、団体の方向性とか。

--そこは、今年度内でもメンバーも変わっていくと思うんで、おいおい成長していければ良いですよね。

伊藤 ほんと、オールorナッシングじゃないけど、エンタメorナッシングみたいな。キャラメルorナッシングっていうことなんですよね、僕の中では。おまえはそんなずっと甘口でいいのかっていう。最終的な決断でそうならば良いんです。でも、意外と食わず嫌いの人、多いと思うんですよね。そういった環境において、みんなビョーキだと言いたい。そこからはじまる何かがある。Re:を求めて、今後も頑張ります。ってことで良いですか?(笑)

--結構です(笑)。本日はありがとうございました。

(了)

2006年5月30日 収録 
聞き手:清水翼 録音:gyu

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